Digital can’t fly

shot0416 便利な世の中で、こうして福岡-丹波-京都-東京をボタンひとつで繋いでしまうのだけれどもこれはやっぱり繋がっていない。もはやインターネットを経由して作られた作品は飽和状態にあり、面白さはさほどない。結局面白いのはコンテンツじゃない。人なんだ、な。顔と顔とを実際に向きあわせて、「おっす〜」とか言ったりしてるほうがよっぽど面白いんだよ。その「おっす〜」が発展して行くことがナイスな感じなんだよ。この地団駄を踏みたくなるような距離ってやつは、インターネットでは解決できないみたいだ。まずはお前は何者なんや。というところからスタートだな。というようなことを話しながらへらへら笑っていた。それにしてもふざけた野郎どもだ。

こんなところ、こんな人たちが学芸大前にいるらしい。
https://sonofthecheese.com/

Photo in vomitt

IMGP7291 昨日の大雨と暴風で桜は殆ど散ってしまった。これでもかというほど降って、飽きてきた頃にやんだ。雨はいつもそうだ。部屋の桜はまだ花びらを残している。

 古い写真を整理した。中には小学生の頃の写真も何枚か混じっていた。実家にはもっとたくさんの写真がある。その中から、大学生の頃に撮った写真を幾つかピックアップしてそのままスキャンしたものをここに公開してみた。写真についていつも必ず思うことは、数年後見返した時に、やっぱり撮って置くモノだなあ。という事と、整理が結構大切だな。ということ。そういう当たり前のことしか出てこない。

 写真はまったくもって簡単じゃない。シャッター一つおしただけで人に殴られることもあるだろうし、殺されることだってあるかもしれない。ぼくの写真はまったくそういうものじゃないし、単なる記念写真の域を出れるとも思わない。だからこそぼくは本当の写真が好きだ。ここにぼくの好きな、3人の写真家を紹介したい。
Richard Renaldi, Michael Wolf, あとは、ヴォミット・フォトグラファー次郎。世界三大フォトグラファーだ。大丈夫、ぼくは嫌いなものを好きだとは言わない予定だ。またその逆もだ。それだけが取り柄だ。殺されそうになったときは言うかもしれない。人が殺されそうになっても言うと思う。ご飯をおごってくれるなら言うと思う。100円くれるのなら言うと思う。ヴォミットは酒を飲み過ぎるところがあるが、まあそれもまた良し。北京の秋はどんなだろう。

Born Marionnette Bone

IMG_0840ふと思い出したことがあったので書くことにする。今住んでいる家に越す前の世田谷区千歳船橋に住んでいたときの出来事。2011年9月30日(金) 23:00頃 その日は太郎が遊びに来ていて、散歩にでも行くか。という事になり家を出た。一階部分がJAになっていて、その横にゴミ捨て場がある。その日はそこに大量の本が捨てられていた。かなりたくさんの本が捨てられており、一人の先客がすでに漁っていた。ちょうど大学生くらいかなという眼鏡をかけた真面目そうな青年だった。太郎と青年と3人で見ながら「こんなのもある」なんて言いながら欲しい本をピックアップしていたのだが、大半のいい本は青年がすでにキープしていた。アラーキーの結構希少な写真集など、捨てられたコレクション全体がとてもセンスが良くただのゴミではなかった。

そこへ40歳くらいのセンスのよさそうなおじさんも加わり、4人で本を見た。そのおじさんはたぶんデザイナーか何かそのような職業のようで本に詳しかった。青年のキープした本を見て悔しがったが「とてもいい本だから大事にしたほうがいい」と言っていた。

記憶が曖昧なのだが、途中に通りがかったおばさんが 「この本はもとはお医者さんの持ち物で、その人が亡くなったから奥さんが捨てに来た。いくつかの本は売っていた。欲しければご自由にどうぞとのことだよ」 と言っていたような気がする。そう云われてみると学術書もたくさんある。とてもキレのいいお医者さんだったに違いない。

青年と話をしながら本を漁った。曰く、その年(2011年)に大学生になったばかりで、実家は遠い田舎なので今は大学の寮で暮らしている。料理が好きだ。と言っていた。 ふと脇に目をやると少年の側に、なにやら見慣れない謎の箱型のかばんがあるので、それはなんだと質問すると青年は話し始めた。

彼には変わった趣味がある。それは動物の本物の骨を使用して操り人形を作成するという、聞いたことのないものだった。小さい頃から動物の骨に興味があり、これをなんとかして動かしたいと思ったのがきっかけだと言う。動物の骨についての知識にはちょっと自信はあるが、マリオネットについては疎いので、思うように動かせない。そこで今日は神田 (場所を失念したのでとりあえず神田としておく)の操り人形協会 (名前を失念したのでとりあえずこうしておく) へ、アドバイスを頂きに行ってきた。今はその帰りだ。と言う。

もう瞬間的におれは彼が愛おしくなってしまって詳しく話を聞くと、実家は田舎の農家だったため、畑などで動物の死骸がよくみつかる。家族からの報告を受けるとその死骸をビニールハウスの中に移動し、完全に腐敗するまで待つ。ビニールハウスは腐敗の進行が早いという。そして、その骨を丁寧に洗い、組み立てるのだそうだ。臭いはそんなにない。近々大阪で開催されるなんとかという祭典(Make;のようなものだろう) に出場するので気合が入っているそうだ。本をみながらそんな話をした。青年は写真集と料理の本を中心にたくさん貰い、おじさんも持ち帰れないくらいの本を頂き、奥さんを電話で招集して帰宅した。僕たちも何冊か本を頂いて帰宅した。

青年にはあれ以来会っていないし、名前もなにも聞いていない。今思うと本当に連絡先を交換しておくんだった。あのデザイナーっぽいおじさんともまた話がしたい。なんか夢みたいな日だった。骨人形の青年よ、あれからきみのマリオネットは思い通りに動くようになりましたか?

先頭に戻る