Best Album 2015

やる気にはなったものの引っ越しなどとかぶってしまい、ついつい後回しになってようやく完成。20連発でお送りいたします。2015年にリイシューされたものも含みます。通し番号は振ってるけど順位は特にありません。ついつい後半にリリースされたものが多くなってしまうのはよくないなあ。

theinternetegodeath1. The Internet // “Ego Death”

Label: Odd Future
Country: USA
File Under: Hip Hop

気の利いたことが言えないけどよかった。「バンド」と言われているけどサウンドは明らかにバンドではない。少なくとも録音物に関してはバンドのふりをしているだけである。ボーカルは処女である。Listen

chassolbigsun2. Chassol // “Big Sun”

Label: Tricatel
Country: France
File Under: World

フランスの音楽家。撮影した映像をFinal Cutでループさせてそれに自分の演奏をのせている。全体を通して透き通っている。物語がある。Listen

carstenmeinerttoyou3. Carsten Meinert Kvartet // “To You”

Label: Frederiksberg
Country: USA
File Under: Jazz

68年デンマーク。今年のベスト・リイシュー筆頭。とにかく、ほんとうに素晴らしい。モード・ジャズの真髄が聴ける。今もジャズをやっているみたい。俺だったらそんな寒いところは機材運ぶだけで嫌だ。管楽器は特に冷たそうだ。Listen

nxworries4. NxWorries // “Link Up & Suede EP”

Label: Stones Throw
Country: USA
File Under: Hip Hop

こういうビートにラップじゃなくてソウルっぽい歌を乗っけてくるとは。しかもこれがかなりマッチしてる。レコードはまだでてないけどもうすぐかな。ものすごいゲイっぽい。Listen

ignacioherbojosolo5. Ignacio Herbojo // “Solo”

Label: Private Release
Country: Argentina
File Under: Folk/World

アルゼンチンはブエノスアイレスのソングライター。悪く言えばただのポップスかもしれないけどピアノとアンビエンス、そして質素な歌が気に入った。すべて自宅で作った曲で、装丁もすべてハンドメイド。CD-Rとデジタルのみ。外人は悪気は全くなく、CD-Rを普通にAudio CDと言って売りつけてくるから気をつけた方がいい。奴らはそもそもCDとCD-Rの区別がつかないから。Listen

Um Encontro No Au Bon Gourmet6. Tom Jobim, Vinicius De Moraes, Joao Gilberto & Os Cariocas // “Um Encontro No Au Bon Gourmet”

Label: Doxy
Country: Italy
File Under: Bossa Nova

こんなに素晴らしいコンサートがあるのか。今なら「最も好きなボサノバアルバムは?」と聞かれれば間違いなくこれを挙げる。オリジナルはブラジルの名門Elencoから。ヴァイナルが透明なのが気に食わない。アホのやることだ。Listen

mamansaniunreleased7. Mamman Sani // “Unreleased Tapes 1981-1984”

Label: sahelsounds
Country: USA
File Under: World

ニジェールにいた作曲家であるらしい。サハラ砂漠の真ん中で小さなシンセを購入し、プリセットのリズムパターンを鳴らしながら作曲を行っていたようである。これはそんな彼が80年代に録音していたものであるらしい。しかしこれらの記述の真偽を確かめるすべはないので、鵜呑みにしてはいけない。なんとも言えない深い深い感情の昂ぶりを感じる。レコードは500枚ということであるが、一瞬でSold Outとなってしまった。Listen

tommymcooksannicsounds8. Tommy McCook // “The Sannic Sounds”

Label: Dub Store
Country: Japan
File Under: Reggae

最高のダブアルバムその1。トミー・マクックのメロディには愛があるが、なかなか稼ぐことができなかった。Listen

kamasiwashingtonepic9. Kamasi Washington // “The Epic”

Label: Brainfeeder
Country: USA
File Under: Jazz

周りはみんな挙げてますね。ヒップホップの周辺からジャズミュージシャンが出てくるというのが面白いなあ。曲もジャズとして聴かなければ結構いい。しかしよくこんなにたくさん作ったもんだ。実はまだちゃんと全部聴いてない。聴くつもりもない。Listen

leonbridgescominghome10. Leon Bridges // “Coming Home”

Label: Columbia
Country: USA
File Under: Soul

出てきた時はそれはそれはびっくりした。感動すらした。けどちょっと飽きるのが早かった。Listen

sadakapremonition11. Sadaka // “Premonition”

Label: Jazzman
Country: UK
File Under: Jazz/Soul

あまり話題にならなかったけどおれは好きだったな。大分類ではジャズだと思うけどソウル要素もかなり多い。サダカ。Listen

pazazzkennydope12. Pazazz // “So Hard To Find b/w Right One”

Label: Now-Again
Country: USA
File Under: Soul

Egon主宰のレーベル、Now-Againより。ボルチモアあたりのマイナー白人バンドによる傑作モダンソウルがKenny Dopeがリミックス。リミックスと言っても、尺を気持よくしたり、ピッチを調整したりその程度。なんか好き。アホだったんだろうな、コイツら。Listen

contactfieldorchestra13. Contact Field Orchestra // “Mapping The Futures Gone By”

Label: Hit+Run
Country: USA
File Under: Left Field/Hip Hop

詳しく知らんがHit+Runから出ていたので聴いてみたらこれがなんとも良かったので買った。マリっぽいギターが好きみたいでよく使ってる。外人だからいいけど、日本人だったらちょっと嫌だ。Listen

wuntwowaves14. Wun Two & CoryaYo // “Waves”

Label: Vinyldigital/Cota
Country: Germany
File Under: Hip Hop

ハズレは一切ないが驚きもそれほどなし。この質感はこの人にしか出せない。この人はこのサウンドで家族を養っていくのだろうか。Listen

clivechinrandysdub15. Clive Chin & Impact All Stars // “Randy’s Dub”

Label: Only Roots
Country: France
File Under: Reggae

最高のダブアルバムその2。素晴らしすぎて言うことないです。当然初めて聴いた。名盤『Java Java Java Java』の続編的一枚だそう。深い。欧州の人間は本当に雑にレコードを作る。Listen

numeroork16. V.A. // “Ork Records: New York, New York”

Label: Numero Group
Country: USA
File Under: Punk

パンクも結構聴いたけど、近年は全然深くは掘ってない。たまに昔聴いていたのを聴きたくなって引っ張りだす程度だな。そんななか米NumeroのOrk音源集にはアガった。もっとアングラで素晴らしい精神はいっぱいあるけど、なんといってもNYといえばOrk。おれだけか?Listen

0006367980_1017. Ernest Ranglin // “Saftly With Ranglin”

Label: Dub Store
Country: JPN
File Under: Reggae

またジャマイカです。やさしい。しかしアーネスト・ラングリンは金に貪欲かつ凶暴なのでサウンドに騙されてはいけないよ。Listen

videotapemusic18. VIDEOTAPEMUSIC // “世界各国の夜”

Label: カクバリズム
Country: JPN
File Under: Pop

お見事。コンセプトもいい、曲もいい。けどルックスがダサい。致命的である。Listen

donnietrumpetsocialexperience19. Donnie Trumpet & The Social Experiment // “Surf”

Label: –
Country: US
File Under: Hip Hop

これが無料かこの野郎! レコード出したらめちゃくちゃ売れると思うけどそれでもフリーでデジタルを出し続けるという姿勢。Sunday Candyはよく聴いた。Listen

actionbronsonwonderful20. Action Bronson // “Mr. Wonderful”

Label: Atlantic
Country: US
File Under: Hip Hop

ラップできるデブ。よく記憶に残っている。上のSunday Candyと同じピアノリフを8で刻む。これ2015年流行った。マジで。Chance The Rapper出てくるし。俺だったらこんなデブになったら人前でラップなんかとてもじゃないが無理。でもこいつにはそれができる。Listen

Hailu Mergia

hailu_mergia2013年にAwesome Tapes From Africaを知った。主宰するBrian Shimkovitzが2台のカセットデッキを使って、アフリカのカセット・テープでCTJ (カセット・テープ・ジョッキー)をする映像を見た時、体に電気が走った。彼は「中でも特に気に入ったもの」のリイシューも手がけており、これまでのリリースのなかでも一番の偉業と思われるのは、エチオピアの鍵盤奏者、Hailu Mergia (この動画では女性ナレーターがハイル・マギアと言っているような気がしたので「マギア」もしくは「ムギア」が正しい読みかもしれない)のリイシューだと思う。
70年代のエチオピア。巨人Mulatu Astatkeを台風の目とするエチオピアン・ジャズ/ファンクの熱は最高潮に達していた。アディスアベバの灼熱と砂埃を身に纏いながら、他を寄せ付けない漆黒のグルーヴの中にHailuは居た。Mulatu Astatkeがバンマスを務めるWalias Band。彼はそこでキーボードを務めた。紛れも無く、超一流のミュージシャンである。
Mulatuは現代まで第一線のジャズ・プレーヤーとして活躍し、世界に知られる巨人となった。しかし当時のエチオピアの情勢などの事情で他の多くの仲間と同じように、Hailuは音楽で飯を食うことを諦め普通の生活に戻った。彼は空港でのタクシー・ドライバーに就いた。タクシー・ドライバーは気に入っていたが、音楽も生活からは切り離せないものだった。タクシーのトランクにはいつも電池式のキーボードを忍ばせ、時間があくと息抜きにタクシーのバックシートでキーボードを演奏する。
彼もまさかこんなことになるとは思ってもなかっただろう。Awesome Tapesのリイシューで世界が仰天した。もちろん僕も完全にやられてしまった。これは彼がWalias Bandの後に務めたバンドでアメリカに行った時、スタジオで一人で篭って録音したもののようで、遊び半分みたいなところもありカセットでしかリリースされていない。安いプリセットドラムに合わせてせわしなく動く右手と独特の旋律。その感覚は形容しがたかったが、なんとか言い表すとすれば僕にとっては「疲れが吹き飛ぶ」感覚だった。
「なんてサウンドだ!」「Mulatuと演奏していたやつらしいぞ」「しかも今は空港でタクシードライバーをしてるだと!」と世界中の好事家が注目した。当の本人は驚いたようだが嬉しかったみたいだ。それほど時間はかからずに、彼はアメリカなどでもまたライブを行うことができるようになった。もちろん彼の腕は錆びるどころか研ぎ澄まされていた。今も「本業」のタクシー・ドライバーをしながら演奏と録音を続けている。

そんな彼の秋の空のように澄み切った映像が公開されていた。

アフリカのレコードのなかでおそらく1番高い値段で取引されてるんじゃないか?と言われている彼のアルバム“Tche Belew” 近日ATFAからリイシュー予定だそうです。Mulatuも参加で非常に楽しみだ。

Cool Man Cool Vol.1

coolmancool1_2-01Cool Man Cool Vol.1
2014.06.07.sat at Memphis Brothers. Shimokitazawa
¥1,000- (with 1 drink) 22:00-
Vinyl DJs: AKARI, Akyto, EKE, J-ONE, Matsuo & Basho, Shoto (NU:ESSENCE)
Live: CBS, Kanomaker
Knit Drawing: Kodai

ぬくくなってきたし、最高だし、M&Bとその腐りきった周辺による寄合いやります。
広島からレコード女子大生アカリちゃんがオール自費にてオン・ザ・セット。千葉の山奥で2万枚以上のレコードとともに隠居するEKE先生、Bashoの師匠、Akyto兄さんのブラジル・セット、ちょびひげB-BOY、J-ONEによるVinyl+MPCの和モノぶっ飛ばしセット、名物パーティGet Fresh!!!主宰、NU:ESSENCEのDJ Shoto先生オン・ザ・セット、そして僕らのCBSちゃん、いろいろ忙しいCBSちゃん、全員童貞CBSちゃんによる久しぶりのライブ (約1名友人の結婚式により欠席予定)、ぼくも詳しくは知らないけどKanomakerくんもライブセットやってくれます。CBSのポン高橋が張り切ります!そしてそして、おなじみ悲しみのB2B、M&Bもオン・ザ・セットでございます。
そしてそして、毛糸で素晴らしい絵を描くKodaiパイセンにも作品持ってきてもらいます!その場で制作していただけるも。
ファーストドリンクのみ1,000円、2杯目以降は500円くらいなのでチャージ500円って感じです。梅雨のジメジメをぶっ飛ばすほどの威力はナシ。金もナシ。色気もナシ。梅雨に泣きつつ、そうめん食いつつ、遊びに来てね。

MEET THE M&B

Processed with VSCOcam with lv01 preset芭蕉とのB2B DJユニット、Matsuo & Bashoのミックステープを作ってみました。コピーも制作も自宅でやりましたが、すごく音が良くて本人たちが一番びっくりしています。記念すべきタイガー・カセットのリリース第一弾。30本だけつくります。54曲入り500円。なんとトラックリスト付きMP3のダウンロードパスワードも封入。郵送も致します。
詳細及び、ご購入は左の画像をクリックしていただいたリンク先からお願い致します。bandcampを経由していただくか、直接PayPalにてお支払いいただければと思います。送料は180円です。
ご質問などございましたら、giantkoyama[at]gmail.comにメールいただくか、twitterなどでリプライいただいても構いません。最後になりましたが、イラスト書いてくれたariちゃんありがとう。

Reggae Mix

reggae_mix_artレゲエのミックスを作りたいと思いつつ早2年が過ぎてしまった。
やるからにはいい曲でやりたかったので、自宅にあるすべてのレコード、CD、データを片っ端から聴き直して選曲しました。よって、曲は本当にいい曲ばかりです。(テクニックは置いといて。)
自分の持ち物といってもこれがなかなか侮れなくて、一括りにレゲエといっても、それはいろいろあります。メント、カリプソから始まって、ナイヤビンギ、ダブ、ラヴァーズ・ロック等、関係するものすべて聴きなおして、候補の200曲を選ぶのに3ヶ月ほどかかってしいまいました。3,000曲くらいは聴いたんじゃないかと思います。もっと聴いたかも。でも結局、直球ドストレートのルーツ・レゲエ/スカ/ロックステディが殆どです。
よく似た曲ばかりをこうもずっと聴いていると、裏打ち、ベースで吐き気、めまいがしてきて、しまいには耳が聞こえにくくなったような気にさえなって来ましたが、そうして選んだ汗と涙の200曲から最終的に43曲でミックスし、一応マスタリングもしました。
まあそんなことはどうでもよくてとにかく、いい曲ばかりなのでぜひ。梅雨開けもいよいよで、これからの季節にピッタリです。

しかし秋田県ほどの面積しかない島国で、これほどのムーブメントが起こったのは本当に驚くばかりです。レゲエというのは音楽はもとより、生き様そのものである気がして、僕はとても好きです。そんな僕なりのジャマイカへの愛をこのミックスに詰め込んでみました。なんか「レゲエ」「愛」という文字が並ぶと条件反射のように、ジャパニーズ・レゲエが連想されますが、これは僕だけでしょうか。
アートワークは今回ミックスさせていただいた方々の一番かっこいいポートレートを集めました。

視聴とダウンロードはこちらから。
https://quojama.com/portfolio/quojamaica

もちろん、お代なんぞノーセンキューだ。
いい曲があったら、ぜひレコードを買って聴いてみてください。全然違いますから。

From Japan to Jamaica with love. 2013.06.25

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